食育を考える

【『賢い子・伸びる子どもに』 子育て術 第5回目】

 紅葉が美しい十一月は次第に気温も低くなり、温かい食べ物がおいしくなる季節です。
家族や仲良しの友と鍋料理を楽しむのも良いかもしれません。

 和風鍋のだしをとる食材に、昆布・かつお節・しいたけなどがあります。
これらの食材にはおいしさ(うま味)を呈する成分が含まれています。

 とくに昆布のだし汁に含まれる「グルタミン酸」がうま味の正体である事は、
1908年に東京帝国大学(現在の東京大学)の池田菊苗(いけだきくなえ)博士によって発見されました。
今年はちょうどうま味発見100周年にあたります。
その後、他の研究者によって、かつお節には「イノシン酸」が、
しいたけには「グアニル酸」がうま味成分として含まれていると報告されました。

 日本の食文化はうま味を生かし大切にしている文化ともいえます。
基本味の種類は以前から「甘味(sweet)、酸味(sour)、塩味(salty)、苦味(bitter)」で
成り立っていると言われてきましたが、日本で発見された「うま味」が「umami」として
1985年に国際語になり、基本味に加えられました。
和食が見直されてきた近年、「うま味」を再認識しながら、
色々な食材を入れたお鍋を囲み、楽しい会話をはずませましょう。



<資料提供: 関西福祉科学大学 健康福祉学部 准教授 澤田崇子先生>