風邪やインフルエンザが気になる季節になりました。
身体に免疫力をつけるためにも食事は大切ですが、
食べ物に好き嫌いがあると栄養素の摂取に偏りが生じてしまいます。
健康に育って欲しいと願い、毎日の献立の中に色々な食材を取り入れ、
調理法を工夫しても、「むら食い」や「偏食する」子どもが多くみられます。
平成17年度乳幼児栄養調査結果(厚生労働省)によると、子どもの食事で困っている事として、
遊び食い45%、偏食する34%、むら食い29%が多いと回答されています(複数回答)。
とくに偏食する子どもでは、野菜を毎日食べない子どもが約4割、
果物では約6割を占めていると報告されています。
折角、食事を用意しても食べなければ身体に栄養が吸収されません。
野菜は、緑黄色野菜やその他の野菜のグループの中に多くの野菜があるので、
嫌いな野菜の代わりに栄養効果の類似する野菜に置き換えれば栄養バランスが保てるでしょう。
子どもの偏食は一過性の場合が多いので無理強いをせず、忍耐強く直していく方が良いでしょう。
しかし、いつまでも嫌いな食材があると、
集団生活での食事の場面で嫌いなものを残してしまうことになるので、
集団になじめないや、自身喪失になるなどの弊害が出てしまうかもしれません。
たとえば、生活のリズムを整える、家族そろって楽しく食事をする、
行事食を積極的に取り入れる、子どもにも野菜つくりや調理の手伝いなどに参加してもらう、
おやつの量や回数を再確認するなどの工夫をしてみると、
少しずつでも規則正しい食事に近づけるかもしれません。
出来る限り多くの食材、そしてその食材の持つ自然の味を生かし、
家庭の味(おふくろの味)を子どもに覚えてもらい成長してもらいたいものです。
<資料提供: 関西福祉科学大学 健康福祉学部 准教授 澤田崇子先生>
十月にもなると気候も穏やかになり、
運動会や遠足などの行事で食べるお弁当も楽しみのひとつです。
秋には、新米・キノコ・イモ・栗・野菜・魚など、おいしい食材が沢山出回ります。
現在マツタケは高価な食材ですが、「香りマツタケ、味しめじ」と言われるように、
食材の持ち味を生かすことが料理へのおいしさにつながります。
料理は、五感で味わうといわれますが、出来上がった料理を目で見て色彩を楽しみ、
鼻から香りを、そして口の中に料理を含み、歯ごたえや噛みごたえ、さらに味を感じるという一連の流れを、
私たちは一瞬のうちに行い、大脳でその料理のおいしさを判断しています。
味覚は、子どもの時に形成されると言われます。
子どもの時期に色々な食べ物の味覚情報が蓄積されると、生涯の嗜好の幅を広げることができます。
旬の新鮮な食材の色・形・香り・味を生かして料理すれば、
子どもの五感に上質の味覚情報が記憶されることでしょう。
そのための料理法は、決して複雑な料理をするという意味ではなく、
食材そのものの味が生きるように、薄味で煮る・焼く・蒸す・・・という基本料理法で充分です。
その子どもにとって沢山のおふくろの味を記憶してもらいたいと思います。
<資料提供: 関西福祉科学大学 健康福祉学部 准教授 澤田崇子先生>